【注意】
本記事は、合同会社の設立コスト面を主にピックアップしています。
合同会社に関して、色々経験を積みましたが、株式会社よりだいぶプロ向けの会社だと思い至っております。
会社というビークルをコストかけずに作りたい、という点ではおすすめできますが、様々な観点から株式会社よりも「良い」というわけでは決してありませんので、ご注意ください。

「合同会社って聞いたことがあるけど、いまいちその特徴がわからない」という声をよく聞きます。
ここでは合同会社について基本的な特徴を、主に株式会社との比較からまとめています。

会社を設立する際、合同会社を選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

データでみる合同会社

会社形態別 設立登記件数

会社の設立件数
設立会社に占める株式会社・合同会社の割合

・合同会社の設立件数は右肩上がり・特にここ2~3年で急増!
・平成27年では、設立される会社の約20%は合同会社
・年間に設立される会社のおよそ5件に1件
・もはや決してマイナーな会社ではない!

合同会社が増えているのには理由がある。
それは、「手軽さ(安い・速い・簡単)」!

合同会社が株式会社と共通する部分を押さえる!

出資を限度とする間接有限責任の会社(法人)である

税務は法人税の制度が適用される

■会計は純資産の部で若干の相違はあるもののほぼ同じ

■資本金1円、出資者は1人からでも設立可能

■役員(取締役又は業務執行社員)も最小1名でOK

出資者の責任、税務・会計面、設立・運営の最小単位は株式会社とほぼ同じ

合同会社の最大の特徴

合同会社=「所有と経営の一致」

会社に出資した者を「社員」という

社員が業務執行権を有し、会社の経営を行う

お金を出した人自身が会社を経営するので、会社法上、内部自治が広く認められ、手続や組織形態等が簡略

業務執行は社員の過半数の一致で決定、重要事項は社員全員の一致で決定(出資額に関係なく1人1票)

矢印

株式会社=「所有と経営の分離」

会社に出資した者を「株主」という

株主が選んだ取締役が業務執行権を有し、会社の経営を行う

お金の出し手と、会社の経営者が異なるので、会社法上、株主保護のための規定が多く、手続、組織形態等が厳格に規定されている

業務執行は取締役会決議又は取締役の過半数の一致で決定、重要事項は株主総会決議にて決定(出資額に応じて1株1票)

合同会社は「設立」が安い!

設立費用の比較

合同会社は株式会社より14 万円も安く設立可能!

合同会社は「設立」が早い!簡単!

設立工程の比較

合同会社は手続工程が少なく、各工程の内容も簡易!

合同会社は「会社運営」が安い!速い!簡単!

安い!

決算公告の義務がないから公告費用(毎年7万3千円程度)が不要!

役員に任期がないから、定期的な役員再任手続・登記が不要!

速い!簡単!

株主総会、取締役会等の機関がないため、招集や法定の手続が不要で、意思決定は社員の一致で行うため、簡易・迅速な意思決定が可能!

合同会社内部のことは、原則として社員で自由に取り決めができ、定款で定めることにより、かなり自由な会社運営が可能!

合同会社は維持費が安い!速い・簡単・機動的な運営ができる!

合同会社のデメリット

認知度が株式会社に比べて低い

社員(出資者)が多いと意思決定・運営が難しくなる

第三者から出資という形での資金調達が難しい

専門家の合同会社の取扱い経験の問題(特に設立以外の運営に関して)

メリットとデメリットを考慮した上で、目的にあった種類の会社を選択する!