株主名簿とは
株主名簿とは、株主とその持株数等に関する事項を記載又は記録するため、株式会社に作成が義務付けられた帳簿のことをいいます。
会社の本店等に備置され、株主及び債権者の閲覧・謄写に供されます。
加えて、株主名簿への記載・記録は、(株券不発行会社の場合)会社その他の第三者に対する対抗要件となります。
株主名簿の記載事項
株主名簿の記載事項は会社法第121条+αで定められていて以下のとおりです。
- 株主の氏名又は名称及び住所
- 株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
- 株主が株式を取得した日
- 株式会社が株券発行会社である場合には株券の番号
- 株券不所持の申出がなされた場合には株券を発行しない旨
- 登録株式質について質権者の氏名又は名称及び住所並びに質権の目的である株式
- 信託財産の表示
- 振替株式に関する事項
1、2、4、5は、なんとなく直観的にわかります。6、7、8はやや専門的な感じなので割愛します。
3が少し気になります。
「株式を取得した日」とはいつの日付を記載するのでしょう?
『会社法コンメンタール』(商事法務)に、わかりやすくまとまっていたので以下まとめます。
株主名簿に記載する「株主が株式を取得した日」
- 設立時発行株式は設立日
- 募集株式の発行等に関しては引受人が株主となる日(払込期日/払込期間の場合は払込をした日)
- 取得請求権付株式は請求した日
- 取得条項付株式は取得事由が生じた日
- 全部取得条項付株式は取得日
- 株式無償割当ての場合は効力発生日
- 新株予約権を行使による場合は行使日
- 吸収合併・吸収分割・株式交換の場合は効力発生日
- 株主が会社以外の第三者から譲渡・相続・合併等により取得した場合は株主名簿の名義書換がなされた日
9は特に気を付けておきたいところです。
株主名簿に記載する株式取得日は、「発行会社が記載されているものを株主として扱い 始める日」とされているので、譲渡や相続によって実際に取得した日を記載するのではなく、「名義書換請求がなされた日」を記載することとなります。
以上、株主名簿の記載事項に関するまとめです。