契印・割印・捨印という、通常の押印(氏名の隣に押印するもの)とは効用の異なる押印方法があります。

紙の書類を作成するときに、しばしば登場しますので、その内容を簡単にまとめます。

契印(けいいん)

契印とは

契約書等が複数枚になる場合、それらが一つの連続した文書であることを証明するために押印することです。

契印の役割

文書の一部が後から抜かれたり差し替えられたり、改ざんされたりするのを防ぐ役割があります。

具体的な契印の方法

【ホチキス留めした書類の場合(製本テープなし)】
前ページをめくって次ページとまたがるように押印します。
すべてのページに同様に契印することとなりますのでページ数の少ない文書に向いています。

契印1
契印2

【製本した書類の場合】
製本テープと書類の紙にまたがるように押印します。
表または裏1か所に契印すれば大丈夫です。
ページ数の多い文書はこちらの契印がおすすめです。

契印3

割印(わりいん)

割印とは

2つ以上の契約書等を作成する際、これらの文書の内容が同一であること、または関連性があることを証明するために押印することです。

割印の役割

どちらか一方の文書が改ざんされることや原本の不正コピーを防ぐ役割があります。

具体的な割印の方法

2つ以上の文書を重ねた状態で、2つの書類にまたがるように押印します。

割印

捨印(すていん)

捨印とは

契約書等の文書の余白部分にあらかじめ押印し、文書の内容に訂正が生じた場合に訂正印として利用できるようにしておくものです。

捨印の役割

契約書等の当事者が改めて訂正印を押印しなくても、文書の重要な部分以外の箇所(一般的には誤字・脱字程度の文言)の修正を可能にする役割があります。

具体的な割印の方法

契約等の当事者が文書の記名押印欄に押印した印鑑で、文書の欄外に押印します。

捨印