管轄外本店移転

少し前に会社の本店移転の依頼がありました。

司法書士的には、
1.市区町村が変わるか、否か
2.法務局の管轄が変わるか、否か
を確認することとなります。

1が変わる場合は、株主総会で本店所在地に関して定款変更を行う必要があるためで、2が変わる場合には登記申請のやり方が変わるためです。

2が変わる場合は、いわゆる管轄外本店移転となり、旧本店・新本店の2つの法務局で登記審査が行われます。

各道府県の商業・法人登記を管轄する法務局は各本局に集中している場合が多いですが、東京23区はについては、ほぼ区ごとに管轄が分かれています。

というわけで、東京(特に23区)の会社が本店を移転する場合は、管轄外本店移転となることが多いですね。

管轄外本店移転の場合は、管轄内本店移転に比べて、
・登録免許税が2倍(合計6万円)←登記申請が2件となるから
・審査期間も少し長い←2か所で審査されるから
・会社代表印の登録・印鑑カードの新規発行手続が必要←法務局の管轄が変わるから
と、会社にとってはあまりよろしくないことが多いです。

会社の本店の住所を変更する場合は、管轄が変わると少しだけ負担(費用・時間)が重いということを意識いただければと思います。

企業法務/商業・法人登記
港区の司法書士・中小企業診断士
長克成