会社設立時の「公告をする方法」
オンラインの無料・安価の会社設立サービスが増えています。
弊所の新規のお客様でも、設立時はそのようなサービスを利用している会社も増えてきました。
で、登記事項を確認すると「公告をする方法」が電子公告になっていることが多いです。
別に電子公告でもよいのですが、電子公告にした場合の注意点をしっかり認識している方は少ない印象です。
株式会社は定時株主総会で決算承認後、計算書類の公告を遅滞なく行わなければなりません。(会社法第440条第1項)
よく「官報公告の場合は●万円かかりますが、電子公告であれば0円」と宣伝されているようですが、電子公告とその他の公告方法とでは、決算公告の内容が異なることを理解しておかねばなりません。
文末に会社法の条文の抜粋を記載しますが、
電子公告の場合は確定貸借対照表の全部を公開しなければならず、その公告期間は定時株主総会終了の日後5年間継続しなければならないことに注意してください。(会社法第440条第2項+第990条)
あまり積極的に決算書類を外部に公開したくはないという意見をよく聞きます。
電子公告ですと、確定B/Sをそのままの形で5年間継続して公開する必要があります。
対して、官報公告であれば、確定B/Sの要旨を記載すれば済みます。
それ以外にも電子公告とその他の公告の違いがありますが、本日はこのくらいで。
企業法務/商業・法人登記
港区の司法書士・中小企業診断士
長克成
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(計算書類の公告)
第440条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、その公告方法が第939条第1項第1号又は第2号に掲げる方法である株式会社は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。
(会社の公告方法)
第939条 会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。
一 官報に掲載する方法
二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
三 電子公告
(電子公告の公告期間等)
第940条 株式会社又は持分会社が電子公告によりこの法律の規定による公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。
二 第440条第1項の規定による公告 同項の定時株主総会の終結の日後五年を経過する日