会社売買サポート体験記の第3回です。

前回は依頼→売買対象会社の会社の資料を受領して、その内容を確認するところまでのお話でしたが、その後、買い手側会社(X社)のA社長と打ち合わせを行いました。

再掲:主な登場人物・会社
  • 会社売買の買い手側会社:X社
  • 会社売買対象である売り手側会社:Y社
  • X社のA社長
  • Y社のB社長
  • M&A仲介会社
  • 司法書士(兼中小企業診断士)の私

A社長と打合せ

私の事務所にて、A社長と今回の会社売買について打合せを行いました。

このとき、A社長からM&A仲介会社作成の「基本合意書」ドラフトをお持ちでしたのでその内容の確認も。

基本合意書

基本合意書は、会社売買の基本スキームを定めつつ、ここで定められた条件が成就されることをもって、会社売買を成立させる最終契約書を締結してクロージングさせましょう、という内容の契約です。

次のようなことが定められていました。

  • 会社売買の基本日程
  • 株式1株あたり●円で譲渡
  • デューデリジェンスに関して
  • 譲渡日までの義務
  • 排他的交渉権
  • 秘密保持
  • 現在の株主構成の確認
  • 会社売買後の各取締役、監査役の処遇の合意
  • 会社売買後も従業員の処遇を変更しない旨の合意
    等々

資料チェックした上での指摘

本シリーズ第2回でチェック・分析した資料から、特に慎重に確認・対処すべきと私が判断したことは以下のとおりであり、その内容をA社長にお伝えしました。

1.チェンジオブコントロール条項

主要取引先との取引基本契約に、「主要株主・代表者が変更となった場合は、契約を解除できる」旨の条項が入っているものがある。会社売買成立後の事業継続のためには、最終の株式譲渡日までに、今後の取引が継続されるよう取引先から事前承諾をいただく必要があること。

2.在庫の確認

売上に対して在庫がかなり多い。在庫の内容・不良在庫化していないかの確認をすること。

3.従業員に関して

従業員の平均勤続年数は長い。賃金以外の部分でもY社に何らかの魅力があるからに違いない。会社売買成立後にその魅力をなくさないようにする必要があること。

4.会社法・登記関連
  1. 株券への対応
  2. 会社売買後の会社の役員構成・機関構成などなど

特に「1.チェンジオブコントロール条項」については、現在の取引先との取引継続ができない場合、会社売買自体が無意味なものになりかねないため、株式譲渡の条件として主要取引先との取引継続の合意があることを契約書に盛り込むことを提案しました。

結び

第3回はクライアントとの打合せについて記載しました。

受領した資料をチェック・分析した結果特に注意すべきことなどをお伝えしました。我々のような専門家が関わる大きな意味のあるところかと思います。

次回は、売り手側会社であるY社さんとのやり取りが中心になろうかと思います。

司法書士 長克成@港区・青山一丁目

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