会社売買サポート体験記の第4回です。

前回は、買い手側会社(X社)のA社長と打ち合わせを行い、資料から、特に慎重に確認・対処すべきと私が判断したことお伝えしたところまででした。

今回は、その後、売り手側会社(Y社)を訪問した際のお話です。

再掲:主な登場人物・会社
  • 会社売買の買い手側会社:X社
  • 会社売買対象である売り手側会社:Y社
  • X社のA社長
  • Y社のB社長
  • M&A仲介会社
  • 司法書士(兼中小企業診断士)の私

Y社を訪問

20●●年6月某日、私はX社のA社長とともにY社の事務所に訪問しました。

Y社ではB社長と専務に対応いただきました。ちなみにM&A仲介会社も同席しています。

B社長から、事業の概要、会社の歴史、経営理念、会社売買の理由、事業の実際のオペレーション、在庫管理等々についてにお話を伺いました。

また、会社の通帳や、金融機関への借入金の返済票等などの帳票類も拝見。加えて、実際に取り扱っている商品・在庫の確認などもさせていただきました。加えて諸々の質疑応答ですね。

いわゆるデューデリジェンス・現地調査です。

だいたい約6時間ほどでしょうか…。なかなかに濃い時間を過ごしました。

なお、会社売買に関する「基本合意書」は事前に双方確認のうえ合意し、今回の訪問の冒頭で調印されました。

訪問→ヒアリング等からわかったこと

会社売買の目的

最初にお話をいただいたときにおおよそは聞いていましたが、ここで再確認をしました。

売り手側の会社(Y社):事業承継のため

後継者のいないX社を早く若い経営者に引き継ぎたい、またB社長自身も若い経営者と一緒にビジネスをしていきたい、という意図のある事業承継としての会社売買ということでした。

買い手側の会社(X社):事業多角化のため

会社の事業多角化のための会社売買。Y社の事業は今まで扱っていない分野の事業であるが、現業との事業シナジーが見込める。当該事業を始めるに当たって、歴史ある企業であるY社の事業を引き継ぎたいということでした。

特に慎重に確認・対処すべき事項について

本シリーズ第3回で、A社長との事前打ち合わせの際にすり合わせた「特に慎重に確認・対処すべき事項」について、この訪問の際によくX社・Y社で検討いただきました。

1.チェンジオブコントロール条項

主要取引先から取引継続の事前承諾をいただいた上で株式譲渡を行うようにすることで解決しました。本件は最終の株式譲渡契約の条件として盛り込むことに。

2.在庫の確認

実際の在庫を見せていただき、商品の特性から劣化がほぼなく、現状も相当価格で一定の数量が販売されていることを確認できたため解決しました。

3.従業員に関して

「従業員一人一人が経営者の意識を持ち、裁量を持って働いてもらっている。」というB社長の方針、歴史ある会社であること、アットホームな風通しのよい社風であること、B社長個人の魅力など、様々なものが相互に作用してX社の魅力となり、従業員の方が働きやすい環境であることがわかりました。B社長には、会社売買成立後も取締役として残っていただき、従業員の働き方・待遇面は当面変更しないようにすることによって解決しました。

4.会社法・登記関連

こちらは特に私の専門分野ですので私からご提案。株式譲渡前・譲渡時の定款変更等により対応することが合意できました。

X社・Y社双方、会社売買の成立に向けて気になること等、お話いただくことでだいぶスッキリした感じですね。

この後は、最終契約書に盛り込むべきことは盛り込んで、手続きを進めることとなります。

結び

第4回は売り手側会社であるY社への訪問→ヒアリング・調査・デューデリジェンス等行ったことについて見てきました。

次回は、最終の株式譲渡の実行に向けてのお話になろうかと思います。

司法書士 長克成@港区・青山一丁目

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