ベンチャー企業や中小企業でも比較的発行することが多い、新株予約権付社債(転換社債型新株予約権付社債)の内容と発行手続についてまとめまています。
なお、転換社債型新株予約権付社債を、適宜「転換社債」と表記します。
転換社債に関して、経験豊富な当事務所に手続き等ご相談ください。
転換社債型新株予約権付社債とは
- 転換社債型新株予約権付社債=CB(Convertible Bond)
- 新株予約権付社債の一種。新株予約権付社債の大部分はこの形であることが多いと思われます。
- 新株予約権付社債に係る社債を、新株予約権の行使に際してする出資の目的とする。(現物出資:会社法第236条第1項3号)
- 新株予約権と社債は、原則として分離できず、一体として譲渡・質入れ等の取扱いしなければならない。
- 会社法上、新株予約権部分については、新株予約権の規定が適用され、社債の部分については社債の規定が適用されるが、募集手続等は社債の規定の適用が一部排除されている。(会社法第248条)
⇒つまり、発行手続に関しては新株予約権の発行の手続による。
「社債」に関しては当事務所サイトにて↓のとおり解説しています。
株式への転換
転換社債では、新株予約権の行使に際し、新株予約権に付された社債を、新株予約権の出資の目的として現物出資することにより、株式に転換します。
転換社債発行時に、1株をいくらで転換できるか(行使価額)を定めて、新株予約権者が行使する新株予約権に付された社債額に応じて株式が付与されます。
例:行使価額1万円、社債総額2000万円、すべて行使した場合
新株予約権者に付与される株式数=2000万円÷1万円(行使価額)=2000株
転換社債が好まれる理由
投資者にとって
出資と社債の性質を合わせもっており、投資者にとって特に使い勝手がよいからと考えます。
もし、発行会社の業績がよく今後は株主として関わりたいと思えば、新株予約権行使して社債を株式に転換して株主になれる。
また、株主とならない判断をした場合でも、新株予約権を行使せず社債の償還をすればそれで投資回収できるし、投資先との関係が終了できる。
⇒株式流動性がなく、将来の予測が難しい非公開会社・ベンチャー・中小企業への投資としてはリスクが低くできる。
発行会社にとって
事業がうまくいって、社債を株式に転換してもらえば社債の償還が不要となる。
転換社債発行の手続の流れ(非公開会社)
ベンチャー企業・中小企業における転換社債発行の流れは、一般的に以下のとおりです。
転換社債の発行に関しては、発行手続開始前の事前の交渉により、投資予定者とその投資内容(転換社債の発行要項、投資契約書)を事前に決定しておく場合が多いです。
取締役会非設置会社の場合
1.株主総会の開催
●転換社債の募集事項の決定(会社法第238条)
・募集新株予約権の内容及び数
・募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨
・募集新株予約権の払込金額又はその算定方法
・割当日
・社債の内容(第676条各号に掲げる事項)
など
●割当対象者と割当新株予約権数の決定(会社法第243条第1項)
※募集新株予約権の引受申込を条件とする。
●総額・総数引受契約を締結する場合はその承認(会社法第244条)
●投資契約等を締結する場合はその承認
2.投資予定者に対し募集事項と割当(予定)新株予約権数の通知
(会社法第242条第1項・第243条第3項)
3.投資予定者からの募集新株予約権の引受申込又は総額・総数引受契約の締結
4.割当日に社債総額に払込み
→割当日から2週間以内に登記申請を行う。
5.投資者に新株予約権原簿・社債原簿記載事項を記載した書面の交付
取締役会設置会社の場合
1.株主総会の開催
●転換社債の募集事項の決定(会社法第238条)
・募集新株予約権の内容及び数
・募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨
・募集新株予約権の払込金額又はその算定方法
・割当日
・社債の内容(第676条各号に掲げる事項)
など
2.取締役会の開催
●割当対象者と割当新株予約権数の決定(会社法第243条第1項)
※募集新株予約権の引受申込を条件とする。
●総額・総数引受契約を締結する場合はその承認(会社法第244条)
●投資契約等を締結する場合はその承認