種類株式とは
種類株式の各論ついてはこちらの記事もどうぞ!
- 第1回はこちら→種類株式(1)-剰余金の配当
- 第2回はこちら→種類株式(2)-残余財産の分配
- 第3回はこちら→種類株式(3)-取得請求権:金銭
- 第4回はこちら→種類株式(4)-取得請求権:株式
- 第5回はこちら→種類株式(5)-取得条項
- 第6回はこちら→種類株式(6)-全部取得条項
- 第7回はこちら→種類株式(7)-拒否権
- 第8回はこちら→種類株式(8)-役員選任権
- 第9回はこちら→種類株式(9)-議決権制限
- 第10回はこちら→種類株式(10)-種類株主総会の排除
会社法上は以下のように規定がされています。
※会社法第108条第1項の【 】が実際に定める種類株式の内容となります。
◎会社法第2条第13号
種類株式発行会社
:剰余金の配当その他の第108条第1項各号に掲げる事項について内容の異なる2以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。
◎会社法第108条第1項
株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる2以上の種類の株式を発行することができる。(略)
1 剰余金の配当
⇒【優先配当・劣後配当】
2 残余財産の分配
⇒【優先分配・劣後分配】
3 株主総会において議決権を行使することができる事項
⇒【議決権制限】
4 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。
⇒【譲渡制限】
5 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。
⇒【取得請求】
6 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。
⇒【取得条項】
7 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。
⇒【全部取得条項】
8 株主総会(中略)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの
⇒【拒否権】
9 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(中略)又は監査役を選任すること。
⇒【役員選任権】
+会社法第322条第2項
⇒【種類株主総会の決議を要しない旨】
+会社法第199条第4項
⇒【株式発行の募集事項の決定に種類株主総会の決議を要しない旨】
+会社法第238条第4項
⇒【新株予約権発行の募集事項の決定に種類株主総会の決議を要しない旨】
+α
種類株式の内容としてよく出てくる用語
A.剰余金の配当:累積/非累積、参加/非参加
剰余金の優先株式には、一般に、①累積型・非累積型の別、②参加型・非参加型の別がある。
累積型とは、ある事業年度に定款所定の優先配当金全額の支払いが行われなかった場合に、不足分について翌期以降の分配可能額から補填支払いがなされる形であり、他方、未払優先配当金は切り捨てられる形が非累積型である。
参加型とは、優先株主が定款所定の優先配当金の支払いを受けた後、さらに残余の分配可能額からの配当も追加して受けられる形であり、非参加型とは追加して受け取れない形である。
(『株式・種類株式』森・濱田松本法律事務所編 中央経済社 253頁~254頁一部抜粋)
B.残余財産の分配:参加/非参加
剰余金の配当の参加・非参加と同様の概念。優先分配額の支払いを受けた後、さらに残余の残余財産からの分配を追加して受けられるか否か。
剰余金の配当が累積型の場合、累積未払配当相当額についても残余財産の分配を優先して受けることができるとする例も多い。
C.優先株式から普通株式への転換に関する価額の調整方式
代表的な調整式としては、フルラチェット方式とコンバージョンプライス方式(加重平均方式)がある。
一般的に、転換比率の基準となる調整前の優先株式の取得価額を下回る払込金額での普通株式の発行等がある場合などに、その発行数量にかかわらず、当該下回る金額を調整後の優先株式の取得価額とする方式をフルラチェット方式といい、調整前の取得価額及び当該新規発行の株式の価額を、新規発行数量も考慮した一定の計算式に基づき加重平均して算出した値を調整後の優先株式の取得価額とする方式をコンバージョンプライス方式という。